近視とは
網膜にピッタリ焦点を合わせる"正視"に対して、網膜の前で焦点を結ぶ状態です。近視になると、遠くの物を見る際に焦点が合わずぼやけて見えます。
近視が進行して強度近視になってしまうと、将来、緑内障や網膜剥離などさまざまな眼の疾患にかかってしまうリスクが上昇してしまいます。
子どものうちに進行を予防しておくことはとても重要です。
当院での近視治療をご紹介する前に・・
普段の生活でも近視の進行を抑制する効果があることがわかっています。
台湾で9~11歳の学童を対象に大規模な研究が行われ、
“視距離(物を見る距離)を30cm”
“近業継続時間30分”
“休み時間は屋外”
これらのいずれもが、近視の進行抑制効果がみられたとされています。特に物を見るときに30cm離してみるというのは最も効果があったとされています。日常から気を配ることも重要と思われます。
当院では、子どもの近視抑制の治療として低濃度アトロピン点眼とオルソケラトロジーを行っています。どちらも眼軸が伸びるのを抑制するのに効果的であり、お子様の近視の進行を抑制する効果が確認されております。低濃度アトロピン点眼とオルソケラトロジーを同時に行うことも可能です。
医師の診察を受け近視抑制治療の適応につきご確認いただく必要があります。
また近視抑制治療は自費診療となります。
低濃度アトロピン点眼
低濃度アトロピン点眼
濃度0.01%のアトロピン点眼薬(マイオピン)を一日一回寝る前に点眼することにより、近視の進行を抑制する治療です。近視の進行を軽減させるといわれ、近視が進行しやすい学童期6歳~12歳の子どもで最低2年以上継続して点眼できる方を対象としています。低濃度なため副作用がほとんど無く、子どもに安心して行える治療です。
特徴
- 日中の光のまぶしさに影響を及ぼさないため、サングラスもほぼ不要です。
- 目の遠近調節機能(手元を見る作業)に殆ど影響を与えません。
- 毎日就寝前に1滴点眼するだけの、非常に簡単な治療法です。
- 各容器(1本・5ml)は両眼用に1か月間の使い切りになっております。
- 本製品はGMP(医薬品製造管理および品質管理基準)準拠の工場で製造されています。
※近視の進行が完全に止まるわけではありませんが、少なくとも2年間継続して使用することで何もしない方と比べ、近視の進行を軽減できたという報告を基にしています。
低濃度アトロピン点眼の安全性
低濃度なため副作用がほとんど無く、子どもに安心して行える治療です。
〇シンガポール国立眼科センター(SNEC)のマイオピン(アトロピン0.01%)点眼薬を2年間継続した研究結果の安全性について、以下の報告がありました。- アレルギー性結膜炎及び皮膚炎の報告はありませんでした。
- 眼圧に影響を与えないとの報告でした。
- 白内障を形成するとの報告はありませんでした。
- 点眼終了後も目の遠近調節機能の低下、また瞳孔が開き続けてしまうという報告はありませんでした。
- 電気生理学上、網膜機能に影響を与えるという報告はありませんでした。
〇日本でも、6~12歳までの学童16名に0.01%のアトロピンを就寝前に2週間点眼させ全身・眼局所の副作用を調査した結果、重篤な全身・眼局所の副作用は認められなかったとする東京医科歯科大学、久喜総合病院の報告があります。
「低濃度アトロピン点眼の副作用は軽微で実生活に影響を与える程度ではなく,継続使用は可能と考えられた.」(日眼会誌119:812-816, 2015)
対象
- 6歳~12歳(12歳以上でご希望の方は医師にご相談ください)
- 軽度~中等度近視
- 3か月ごとの定期健診が可能な方
当院の低濃度アトロピン点眼治療の流れ・料金(税込)※自由診療となります
- 初診
- カウンセリング→適応検査→低濃度アトロピン1本お渡し 5,500円
- 1週間後
- 定期検査(初診検査費用に含む)
- 1か月後
- 定期検査+低濃度アトロピン2本お渡し 7,700円
- 3か月後
- 定期検査+低濃度アトロピン3本お渡し 11,000円
- 以降3か月ごと
- 定期検査+低濃度アトロピン3本お渡し 11,000円
注意
- 治療はすべての方が受けられるわけではありません。カウンセリング・適性検査を受けたうえで適応と判断された方のみ治療を受けられます。
- あくまで"進行しづらくする"ための治療というのがポイントです。近視が全く進まなくなるわけでも治るわけでもありません。
オルソケラトロジー
オルソケラトロジーというハードコンタクトレンズを就寝中に装用し、角膜の形を変化させることで、近視や乱視を矯正する治療法です。
朝起きてレンズを外したあとも一定時間角膜の形は保たれ、日中はメガネなしで過ごすことができます。
メリット | デメリット |
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当院のオルソケラトロジー治療の流れ・料金(税込)
- 適応検査 3,300円
- 調節麻痺下屈折検査(必要に応じて眼鏡処方あり) 0円
- 専門医によるカウンセリング・装脱練習 3,300円
※トライアル開始までに3回のご来院が必要です - トライアルレンズ
両眼:10,000円 片眼:5,000円 (預かり金)
※トライアルレンズ装用終了後、返金させていただきます。
レンズ破損、紛失などが生じた場合は返金いたしかねますのでご注意ください。 - 1週間後 レンズ購入/中止/トライアル延長の判断
購入 両眼:200,000円 片眼:155,000円
トライアル延長 1週間ごとに2,200円 - レンズお渡しから1か月後 定期検査 3,300円
- レンズお渡しから3か月後 定期検査 3,300円
- 3か月ごと 定期検査 3,300円
注意
- 治療はすべての方が受けられるわけではありません。カウンセリング・適性検査を受けたうえで適応と判断された方のみ治療を受けられます。
- あくまで"進行しづらくする"ための治療というのがポイントです。近視が全く進まなくなるわけでも治るわけでもありません。